歯科コラム

歯科医師臨床研修マッチングプログラムとは

歯科医師になるためには大学歯学部もしくは歯学大学にて6年間学んだのち、歯科医師国家試験を受験します。そして国家試験に合格した人は次なるステップとして、大学病院や指定の病院、歯科医院で1年の臨床研修を行なったあと、勤務医として歯科医院に就職することになります。この勤務医になる前に受ける臨床研修でマッチングプログラムとよばれる形式がありますが、これはいったいどのようなものでしょうか。

臨床研修先とマッチングプログラムの利点

臨床研修先とマッチングプログラムの利点
厚生労働省の指定する大学病院や病院、歯科医院で臨床研修を受けることができる施設を指定のサイトD-REIS(歯科医師臨床研修プログラム検索サイト)で検索し、登録します。そして臨床研修先を決定するためにコンピューターを使って応募者である研修歯科医と、研修プログラムの希望を最適に組み合わせるためのシステムを「マッチング」と言います。

歯科医師臨床研修マッチングの利点ですが、まず臨床研修施設と研修希望者のマッチングによって情報公開を促します。そして双方にとって合理的で効率的な組み合わせが決定し、その結果、研修歯科医が全国に混ざり合うことで研修の質の向上効果が期待されるのです。またこのマッチングシステムでは、研修希望者と研修施設双方の希望順位を知ることは絶対にできないため、希望する順番どおりに順位登録する必要があります。例えば研修を希望しない施設には、希望順位表に登録をしないことです。もし、登録していてその施設にマッチした場合は、マッチングに従わなくてはならないからです。
また、結果がアンマッチだった場合、マッチングシステムで空席のあるプログラムを検索することが出来るのと、D-REISに空席状況が発表されるので、空席のあるプログラムをもつ研修施設に直接連絡し、追加採用について問い合わせることが出来ます。

必須化となった臨床研修

勤務歯科医となるために法改正が行われ、平成18年4月1日から臨床研修が必須項目となっています。平成17年以前に歯科医師国家試験に合格した人であっても、歯科医師免許の申請を平成18年4月1日以降に行なった人は臨床研修を受けなければいけません。将来診療に携わる人はこの研修を必ず受けなければいけませんが、診療に全く携わらない研究職などであれば受講の必要はありません。逆に言うと、臨床研修を受けないと開業が出来ないことになります。臨床研修を修了とみなされた人は、臨床研修施設管理者から研修修了証が交付され、歯科医籍の登録申請ののち、臨床研修修了登録証が交付されます。このように、歯科医師になるためには決められたプログラムをこなしていく必要があり、臨床研修修了が必須となります。

歯科医師臨床研修制度の歩み

歯科医師臨床研修制度の歩み
この歯科医師臨床研修マッチング制度は、医科が2年先行した医師臨床研修マッチング制度の導入に習ったものとなります。臨床研修制度の歩みとしては、医科に習う部分がほとんどです。例えば医師法改正に伴う2年以上の臨床研修を法制化されたのが昭和43年であり、そこから28年後の平成8年に歯科医師法改正、それに伴い1年以上の臨床研修の法制化が行なわれました。医科で昭和49年に富士教育研修所における医学教育者のためのワークショップ開始では、歯科は24年後の平成10年に同じく富士教育研修所における歯科医のためのワークショップが開始となり、平成12年には医科、歯科同時期に法改正が行なわれ、その後医科に2年遅れること平成18年に、臨床研修必修化となり、マッチングプログラムが導入されるようになりました。

マッチングプログラムの仕組み

研修を希望する人は、プログラムを提供している大学病院などの施設の採用試験を受験することで、希望順位を登録できるようになっています。それに対し、プログラムを提示した管理型施設も、採用試験の結果を考慮しながら採用に関する優先順位をプログラムに登録します。双方の希望順位が知らされることはありませんが、希望順位の高いもの同士が組み合わされるこのシステムは、実はとても複雑な仕組みになっています。マッチングの参加登録は6~7月、各施設による採用試験は7~9月、それぞれの順位登録は9~10月上旬にかけて行われ、10月下旬から11月中旬の間にマッチング結果が公表されます。
この歯科医師臨床研修は歯学部卒業後、すぐに行われるために研修希望者のほとんどは在学中にマッチングに参加することになります。毎年3,500~4,000人くらいの研修希望者がマッチングに参加しており、およそ90%前後がいずれかのプログラムにマッチしており、70%くらいが第一希望のプログラムにマッチしているというデータが明らかになっています。
しかし、平成19年以降、募集定員と参加者数がそれまでと逆転しています。平成18年までは、募集定員に対して参加人数が下回っていましたが、平成19年以降は参加人数が上回る結果になっています。双方にとって適正なマッチングを行うためには、受け入れる施設側が応募人数を上回る定員であることが原則となっています。そうでないと毎年必ずアンマッチという状態になってしまうからです。

そもそもマッチングプログラムは、歯科医師臨床研修医を受け入れる施設が参加をしていることと、希望者とが合致していなければ研修を受ける事ができません。参加している受け入れ施設がまだ多くないということを意味しているものと思われます。

各施設により研修内容や待遇も異なる

各施設により研修内容や待遇も異なる
歯科医師臨床研修募集については、大学病院など各受け入れ施設のホームページに記載されており、待遇なども同様に記載されています。研修内容は各施設で異なりますが、基本理念や習得内容はほぼ同一です。それに付随して、院内の見学など独自のカリキュラムなどを展開しています。例えば獨協医科大学では、歯科医師臨床研修マッチングプログラムに加えて、希望者に対して口腔外科見学日を設定するなど、独自のプログラムを行っています。

このように、歯科医師臨床研修マッチングプログラムは、社会の求める優れた歯科医療人を育成することを目的としています。