歯科コラム

東京都の歯科大学卒業後の進路と就職率について

歯科大学及び歯学部の卒業後の進路は、歯科医師免許を取得し、歯科医師となるのが一般的ですが、必ずしもすべての学生が歯科医師になるわけではありあません。本人の意向次第で、歯科医師免許を取得せずに、もしくは歯科医師免許は取得しても、別の道へ進む事もできます。では、東京都での歯学部生の進路と就職率はどのようになっているのでしょうか。また、近年歯科医院の競争が激化していると言いますが、就職にはどの程度影響しているのでしょうか。

卒業後の進路

卒業後の進路
歯科大学及び歯学部を卒業したあとの進路としては下記のような選択肢があります。
・臨床研修医として、大学病院やクリニックでの勤務
・大学院へ進学
・一般企業への就職
・公務員
いずれの進路を選択した場合でも、歯科医師免許は取得している事がほとんどです。
歯学課程は6年なので、基本的に6学年目の2月に試験を受けます。進学や一般企業への就職が決まっている場合は受けないこともあるようですが、歯学課程のカリキュラムの中に歯科医師免許取得が入っているため、取らないで卒業するという選択肢はなかなか無いのではないでしょうか。また、上記の進路の他にも、公務員などの選択肢も極稀ですがあります。

臨床研修医

臨床研修医とは、医学教育を終えた歯学生が1年以上、研修医として病院で勤務することを言います。学生の間は、医療行為は出来ないため、大学卒業時点では実地経験がほとんどありません。なので、卒業後研修医として臨床経験を積むことが歯科では2006年から義務化されました。(ちなみに、医科では2年の研修期間が2004年より義務化されています。)臨床研修医として勤務したあとは、晴れて正式に歯科医師となり、そのあとは勤務医を続けるか開業するかを選択します。

大学院への進学

大学院への進学
大学院へ進学する場合は、歯学に関するより専門的な知識や技能を習得することを目的としています。大学院進学により、専門医・認定医の資格が取りやすくなるほか、歯学博士号を取得し、より高度な基礎研究などを行うことが出来ます。専門医や認定医になるためには特殊な症例を多数扱わねばならず、一般的な歯科医院に勤務していては、認定を得られるだけの症例を扱うのにかなりの時間を有してしまいます。なので、大学院へ進学し、特殊な症例経験を積むことで、認定を得やすくすることが出来ます。
また、一般的な大学院の修士課程は2年間で、与えられる学位は修士号ですが、歯学部の場合はすでに学部で6年の課程を経ていますので、大学院終了時には博士号を取ることが出来ます。
大学院への進学のためには、歯学課程を終了しているかもしくは、それと同等の学力が認められることが必要ですが、これには歯科医師免許の有無は含まれません。なので、歯学部大学院の博士号を持っている人でも、歯科医師免許を持っていない場合もあります。

一般企業への就職

一般企業へ就職する場合は、他の学部と同じように就職活動を行います。多くは、大学や研究施設での研究職など、学位を活かしたものですが、中には、営業職など歯学とは関係のない職種につく人もいるようです。この他にも、化粧品, 製薬会社などに勤務する人もいます。

公務員

公務員
歯科医師ならではの公務員もあります。厚生労働省が募集している「医系技官」や自衛隊の「歯科医官」がそうです。
医系技官は厚生労働省の実施する試験に合格した人がなれるもので、人々の健康にまつわる政策の立案から実施までを行います。
歯科医官は陸・海・空自衛隊の自衛官で、自衛隊病院や医務室での歯科診療がメインの業務となります。公募の場合は、各自衛隊が試験により歯科医師の採用を行います。自衛隊の医官は防衛医科大学からの採用がほとんどですが、歯科に関しては一般大学からも募集します。

歯科大学、歯学部卒業生の就職率

昨今、歯科医院の増加が騒がれ、コンビニよりも数が多い、などと言われています。歯科医院の数は6万軒以上(2014年時点)あるのに対し、コンビニは4万5千店舗ほど(2014年時点)です。そういった数字からも分かるように歯科クリニックの競争は激化し、供給過多となっている状態です。では、今から歯科医になっても就職先がない、ということが起こるのでしょうか。
そういう訳ではありません。競争の激化が起こっているのは主に開業医なので、勤務医を選択すれば就職ができなくなる、ということは無いようです。実際に、歯科大学や各大学の歯学部が発表している就職率はどこも100%近いことがほとんどです。これは東京でも同様で、人口が多い分、病院も多いので就職に困ることはほぼありません。歯科大学はもちろん、歯学部を持つ大学は必ず系列の病院を持っているのでそちらへ就職する場合が特に多いようです。また、研修医として勤務していた先でそのまま就職が決まることもあるので、一般企業へ就職する際のような厳しい「就活」はない可能性があります。

東京の歯科大学及び歯学部生の就職率

東京の主要な歯科大学、及び歯学部の発表するところによると就職率は90%以上です。
100%と発表しているところもあります。
下記は東京歯科大学の最新の就職先の内訳です。

東京歯科大学千葉病院 44.0%
東京歯科大学市川総合病院 4.6%
東京歯科大学水道橋病院 20.2%
国公立大学附属病院 5.5%
私立大学附属病院 8.3%
公立病院等 5.5%
一般開業歯科医院 11.0%
その他 0.9%

約70%が大学の附属病院へ就職していることが伺えます。このように附属病院や系列の病院を多く持っている大学の方が就職時には有利であることがわかります。大学を選択するときにそういったことも視野に入れて選択すると良いかも知れません。

まとめ

年々競争が激化していると言われていた歯科業界も、就職率という点で見れば噂ほど厳しいものでも無いようです。進路としての選択肢も、歯科医師なる以外にもあり、自分の希望の仕事に就けることも多いでしょう。しかし、開業医が苦戦を強いられていることは事実で、就職した後に、いずれは開業しようと考えている人は注意が必要です。開業医は技術だけでなく、経営手腕も求められるため、運営がうまくいかなければ当然収入は安定しません。東京などの都心部は特に激戦区ですので、患者の確保のためには技術やサービスの向上を心がけなければいけないでしょう。