歯科コラム

外国人患者さんの増加・・・歯科医院に求められる外国語の対応は?

外国人患者さんの増加・・・歯科医院に求められる外国語の対応は?

日本に訪れる外国人観光客の数は、年々増加しています。中には、一時的な観光ではなく、留学やワーキングホリデー、あるいは日本企業に就職する外国人もいますので、ますます外国人と接する機会が増えてきます。同時に、歯科医院を受診する外国人患者さんも増加傾向にあり、歯医者としては適切な外国語対応が求められるようになってきました。ここではそんな歯科医院における外国人患者さんへの対応について詳しくご紹介します。

国は言葉のバリアフリー化を進めている

東京オリンピックの開催もあり、訪日外国人の数は過去最高といえるほど増加しています。そこで総務省では「世界のことばの壁をなくす」というミッションを掲げ、言葉のバリアフリー化を推進しているのです。具体的には、外国人が混乱しやすい駅名にナンバリングしたり、タクシーを利用しやすいようにするために「指差し会話シート」を用意したりするなどの取り組みを行っています。実際、私たち日本人が海外に行った時もこういった取り組みがなされていたら、交通機関をスムーズに活用できますよね。ただ、こういった言葉のバリアフリー化や外国語による対応が求められている施設が他にあります。それは歯科医院を始めとした医療機関です。

日本語で嫌な思いをした場所の1位は「病院」

文化庁が実施した「日本語に対する在住外国人の意識に関する実態調査」では、日本語が十分にできず、困ったり、嫌な思いをしたりした場面の1位は病院となっています。ここにはもちろん歯科医院も含まれます。これはある意味で、歯科医院を含めた医療機関が最も外国語に対応していないと考えることもできます。

けれども、医療機関というのは、患者さんの主訴や現病歴などを正確に聴き取った上で診療を行わなければならない場所であるため、外国語対応が最も進んでいるべきところともいえます。場合によっては、意思の疎通がうまくできずに、致命的なトラブルを引き起こしてしまうこともあり得ます。

確かに、歯医者として外国人の患者さんが来た際、外国語がわからずどんな症状を訴えているのかも聴き取れないことほど怖いことはありません。患者さんはその数倍の恐怖心を抱いていることでしょう。それだけに、これからの歯科医院は外国人の患者さんが来院してきても、きちんと対応できるようにしておかなければ、歯科としての役割を果たせなくなることが考えられます。

診療に必要となる英会話を学ぶ

診療に必要となる英会話を学ぶ
訪日外国人は、英語圏と中国語圏が大半を占めていますので、この2つの言語がしゃべれるようになれば、患者さんへの対応は極めてスムーズになることでしょう。もちろん、英語と中国語を完全にマスターする必要はありません。医療面接などで必要となる言葉の知識を習得するだけでも、外国人患者さんは安心することでしょう。最近では「歯科英会話」という分野が注目を集めており、書籍の発刊やセミナーなども開催されていますので、積極的に活用することをおすすめします。

文書や診療内の表記を多言語化する

街を見渡すと、すでにたくさんの場所で表記の多言語化が行われています。とりわけ都心部となると、日本語表記のみの看板などは少なく、英語や中国語、韓国語なども併せて表示されていることが珍しくありません。これと同じことを歯科の院内でも実施することで、外国人患者さんが来院しやすく、診療を受けやすいようにするのもひとつの手段といえます。歯科のホームページに関しても、外国人患者さん向けのページを作成すると利便性が高まります。

また、最近ではタブレットで使用することができる問診票アプリケーションがあるのをご存知でしょうか。痛みが生じている部位などを明示してもらう際に、英語や中国語など、あらかじめ設定した言語で問いかけることができます。アプリではわかりやすいイラストとともに、各言語による問診が行われるため、外国人患者さんにとっても非常にわかりやすいです。おそらく、私たち日本人が全く言葉の通じない国の歯科医院を受診した際に、そんなアプリで問診を行ってもらえたら、非常に助かることは間違いありません。iPadなどのタブレットがあれば、アプリをインストールするだけなので、導入方法も極めて簡単です。

まとめ

このように、訪日外国人の数は年々増加していることもあって、歯科医院への外国人患者さんの数も増えてきています。その際、歯医者に求められるのは外国語による対応です。日本に訪れてきているすべての外国人に、外国語対応することは不可能ですが、その大半を占める英語や中国語に対応することはそれほど難しくありません。少なくとも歯科診療に必要となる会話表現などを身に付け、院内の表記も多言語化するなどの取り組みが求められるようになってきています。逆にいうと、そうした取り組みが行われていれば、これからどんどん増えてくる外国人患者さんの受け入れ先となり得るため、歯科医院にとってもメリットは大きいといえます。