歯科コラム

歯科助手との違いは?歯科衛生士の仕事内容とやりがい

歯科助手との違いは?歯科衛生士の仕事内容とやりがい

歯科クリニックにかかったことがある方なら一度は「今日の治療はほとんど歯科衛生士さんにやってもらった」と感じたことがあるのではないでしょうか。30分間の治療のうち、27分は歯科衛生士が患者さんの口のなかを処置し、歯医者は最後の3分ぐらいで状況を確認するだけ、ということもあります。

もちろん、これは法的になんら問題はありません。歯科衛生士の「やれること」は意外に多くあり、患者さんともかなり長く接します。

はっきり申し上げて、歯科衛生士の業務はかなりやりがいがあります。その仕事内容の魅力を余すことなくお伝えします。
そして多くの人が意外に知らない「歯科衛生士と歯科助手の違い」も解説します。

歯科衛生士になるには

歯科衛生士になるには、まずは高校を卒業したのち、歯科衛生士養成機関に入学する必要があります。歯科衛生士養成機関とは、専門学校、短大、大学のことで、最低でも3年間は専門の勉強をしなければなりません。以前は最低2年で卒業できたのですが2010年から3年以上となりました。
歯科衛生士養成機関を卒業しないと、歯科衛生士国家試験を受験することはできません。この試験に合格すると晴れて歯科衛生士になることができます。法律上は、厚生労働大臣が歯科衛生士名簿に歯科衛生士を登録することになります。実際の登録事務は、歯科医療振興財団という組織が行っています。
歯科衛生士としての仕事を始めるには、資格を取得した後に歯科クリニックなどに就職しなければなりません。

歯科衛生士の仕事1:歯科診療補助

歯科衛生士の仕事は主に3種類あります。最初に歯科診療補助の仕事を紹介します。
この仕事内容は歯医者のアシスタント業務になります。歯医者が患者の歯を削っているときなどに、患者の口のなかの水や唾液をバキュームで吸ったりします。

患者さんからみると、簡単そうにバキュームしているようにみえますが、これが意外に難しいのです。まず歯医者の手の動きの邪魔になってはいけません。かといって歯医者に遠慮していると、患者さんの口のなかにどんどん水がたまっていき、患者さんが苦しい思いをします。
さらに、歯科衛生士の「作業エリア」はとても狭いのに、バキュームの器具は意外に長くスペースを取ります。
これだけのハードルを乗り越えつつ、歯科衛生士は患者さんに「簡単そうにやっている」と思われるくらいスムーズに作業をこなしていかなければならないのです。

歯科衛生士の仕事2:歯科保健指導

歯科衛生士の仕事2:歯科保健指導
歯科衛生士の2つ目の仕事は歯科保健指導です。歯科衛生士のなかには、「この仕事が一番好き」という人も多くいます。なぜなら、歯科衛生士が主役になることができる業務だからです。
歯科保健指導は患者さんにブラッシングを指導したり、禁煙指導をしたりします。ブラッシング指導ですと、患者さんから「そういうふうに磨けばいいのか!」と驚きをもって喜ばれることもあります。
歯科衛生士が老人ホームや学校に行って、お年寄りや子供たちの前で歯磨き指導や歯周病の説明をすることもあります。歯科衛生士は社会貢献もできるのです。

歯科衛生士の仕事3:歯科予防処置

最も高いスキルを要求される歯科衛生士の仕事が、歯科予防処置です。この仕事では、歯科衛生士が患者さんの口の中を処置します。
具体的には口腔内のクリーニングになります。歯医者が使っている治療器具の一部を使って患者さんの歯を1本1本磨いていきます。歯科クリニックでは市販されていない特殊な研磨剤を使うので、歯の表面の汚れがみるみる取れていきます。歯科衛生士は仕事をしながら、次々きれいになっていく歯を見て爽快感を味わえることでしょう。

またクリーニングでは、歯石の除去も重要です。歯石はこびりついた歯垢が固まったもので「細菌の巣」になっています。しかし歯石は歯ブラシや爪楊枝ぐらいでは簡単に落ちません。さらに歯石が原因で歯周病が発症し、歯が脱落することもあります。
そのようなやっかいな存在を、歯科衛生士は専用の器具を使って丁寧に取り除いていくのです。
歯石除去は「ほぼ治療」の領域といえ、歯科衛生士が強くやりがいを感じる仕事です。

歯科衛生士と歯科助手の違い

歯科衛生士と似た存在に、歯科助手がいます。ほとんどの歯科クリニックでは、歯科衛生士と歯科助手の制服は同じなので、普通の患者さんでは区別がつかないでしょう。
歯科助手の仕事をするには資格は必要ありません。そのため、歯科衛生士は行えても、歯科助手は行ってはならない仕事がたくさんあります。歯科助手は原則、患者さんの口に触れる治療関連の業務は行えません。

その代わり歯科助手は、歯科クリニック内の「そのほかの業務」に携わります。例えば事務や接客などは、事務員がいる歯科クリニックでも、歯科助手が行うことがあります。そのため歯科衛生士と歯科助手は、どちらが格上格下ということはなく、どちらも歯医者と歯科クリニックを支える重要な歯科スタッフといえます。

まとめ~人を笑顔にできる仕事

歯科クリニックには頻繁に、苦悶の表情をした患者さんは来院します。しかし歯医者と歯科衛生士が小一時間治療・処置すると、にっこり笑顔を取り戻すことができます。
「死ぬかと思ったほどの痛みだったのに、いまは全然痛くありません。ありがとうございます」と患者さんから言われたら、「この仕事を選んでよかった」と思えるでしょう。