歯科コラム
歯科衛生士として介護現場でできる働き方

歯科衛生士は総合病院の歯科や歯医者で働くもの-というのが一般的なイメージですよね。しかし現代社会においては、歯科衛生士の活躍の場が広まってきているのです。歯の治療や口腔ケアのために歯医者を訪れる方は老若男女問わず、あらゆる性別・年代の方々ですが、今は高齢化社会が進んでおり、患者さんが高齢者である比率も高まってきています。そこで注目されるのが介護現場です。内科や外科といった医療現場と同じく、歯科においても介護の観点からの需要が高まっています。
高齢者の医療事情と医療従事者の需要
介護現場での歯科衛生士の役割とは

■対象者への口腔状態の確認
自身ではなかなか口腔ケアが難しい、定期的に歯科診療を受けることが難しいという介護施設利用者や高齢者のために、口腔状態の確認を行います。ご存知の通り、口腔状態は歯や口内だけではなく身体の健康状態にも影響してしまいます。定期的な状態確認によってトラブルの早期発見や早期治療を促すことで口腔状態を健康に保ち、高齢者の病気などのトラブルを未然に防ぐ役割を担います。
■介護職員への口腔ケア指導
介護施設利用者一人ひとりの口腔ケアを歯科衛生士だけで行うことは難しいため、日々のケアを行っている介護職員に対してケア用品の選定方法やブラッシングといった毎日の口腔ケアの仕方を指導します。定期的に実際のケアの様子を確認し、適宜改善指導をしていくことも求められます。介護職員とともに利用者の口腔ケアを行い、全体的なケアの質の向上を目指します。
■介護施設、訪問介護における口腔ケア
施設に併設されている診療所や高齢者の自宅へ訪問する訪問介護の場面で専門的なケアを行います。専門器具を用いた歯のクリーニングはもちろん、歯磨き指導を行ったり、患者さんによっては咀嚼指導を行うこともあります。歯科衛生士として、口腔ケアから患者さんの健康を守り、自立した生活を支援する大変重要な役割です。