歯科コラム
患者さん第一!スムーズなスケーリング(歯石除去)をするコツ

歯科衛生士さんの代表的な仕事には「スケーリング」と言って、患者さんの歯石を除去する作業があります。しかし、痛みをともなう場合もあることから歯石除去を苦手だと感じる患者さんは多く見られます。特に、歯周病のある患者さんであれば、痛みや出血をともなうために、歯科衛生士さんに対して不信感を抱いてしまうことがあるようです。では、どうすれば、スケーリングをスムーズに行えるのでしょうか。
患者さんを第一に考える
スケーリングをスムーズに行うコツ
エアスケーラーや、超音波スケーラーを持つ自分の手が窮屈そうに曲がっていると感じたら、まず、自分のポジションを見直してみましょう。理想は、施術部位が見えるところに座る、施術部位に超音波スケーラーなどを当てたときに手首が曲がっていない、腰をひねっていないという場所です。自分が窮屈だと感じるポジションではどうしても無理が生じて、患者さんに対しても負担を掛けてしまうことになります。
■患者さんとの距離
口腔内を良く見ようとするあまり、患者さんにへばりつくようにしてスケーリングをしていませんか? 近づきすぎると、肩が上がってしまい逆に視野が狭くなってしまいます。握りこぶし一つ分後ろに下がることを心掛ければ、手と肩の力が抜けて超音波スケーラーなどの操作がしやすくなってくるでしょう。患者さんに近づき過ぎたり、必要以上に体に力が入ってしまうと鼻息も荒くなり、患者さんにとってはリラックスのできない状況となってしまいます。
■チェアーの高さ
自分のチェアーの高さを少し変えてみましょう。排唾感が使えて鏡視ができる方は自分のおへそのあたりに患者さんの頭を置きますが、覗き込む癖のある方や、直視となる場合は、胃の辺りに患者さんの頭が来るように、少しチェアーを上げてみることでやりやすくなるのではないでしょうか。
■レストの位置
自分のポジションやチェアーの高さを整えたら、次はレストの位置です。患者さんの歯列の状況、象牙の傾斜、開口量によってレストの位置は変わってきますが、まずは、スケーラーを少し短めに持って、手を小さくまとめていきましょう。そして、上記でお伝えしたように、自分自身の体の向きや手首の当て方に、無理がないかというようなことを気にしながら行ってください。
■患者さんのポジションも見直してみる
それでも上手くいかない場合には、当たり前になっている患者さんのポジションも見直してみましょう。チェアーを起こし気味で施術をしていると、口腔内が見づらくなってしまうためどうしても覗き込むような形になって、肩や手首に力が入ってしまいます。そうなると、患者さんの口元が引っ張られたりして、苦痛をともなうことになってしまいます。大切なのは、顔面と床を平行にすることです。
サクションの使い方でやりやすさが決まる
