歯科コラム

歯科医師が年収アップを目指すなら開業か転職か

歯科医師が年収アップを目指すなら開業か転職か

勤務医としてキャリアを積むか、開業をして独立する道を選ぶかというのは、歯科医師を続けるにあたり、とても大きな問題ではないでしょうか。目指している歯科医師像というのは、それぞれ違ったものになるとかと思いますが、勤務医を続けた場合と開業をした場合に、どのくらい収入の差がでてくるのかは気になるところでしょう。では、一体、勤務医と開業医では、どのくらいの収入の差があるのでしょうか。そして、開業をするにあたってのリスクとはどのようなものなのでしょうか。年収アップを目指す歯科医師のために、解説いたします。

生涯年収の差

まず初めに、勤務医の生涯年収についてお話しいたします。厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」によりますと、25歳から60歳まで勤務医として勤めた場合、生涯の年収は、平均して約3億3000万円だそうです。一般的なサラリーマンの生涯年収は、2億5000万円になるようですが、比べてみるとだいぶ高い金額といえるでしょう。では、開業医の場合はどうでしょう。35歳から開業をしたとして60歳まで働いた場合、生涯の年収は約3億9000万円だそうです。この金額は、25歳から勤務医として働いた10年間の、9000万円をプラスした金額なので、勤務医を続けた場合と開業した場合では、6000万円の差が出てくるということです。

開業するメリット

勤務医と開業医では、平均して約6000万円の差が出てくるということですが、開業するにあたっては、開業資金もかかり、それ相応のリスクも背負わなくてはなりません。開業する資金というのは約4000万円と言われていますが、銀行などで借り入れを行う場合には、さらに利息が上乗せされることになります。ですので、資産は残ったとしても現金として考えた場合、勤務医と開業医の生涯年収はあまり差がないと言えるのではないでしょうか。しかし、開業医の場合、歯科医師を引退する時期を自分で決められるというメリットがあります。勤務医の場合は、60歳を超えると年収が大幅にダウンしてしまいますが、開業医であれば、60歳を超えたとしても現役で働き続けることができるのです。

開業するリスク

上記では、開業した際のメリットをお伝えしましたが、開業するにあたっては、それ相応のリスクが存在します。多額の資金を投じて開業をしたとしても、開業から15年未満で倒産してしまうケースは約半分だそうです。現在、日本の人口が減少している一方、歯科医師や歯科医院の数は、とても増えていて、駅前に歯科医院を開いたからといって儲かる時代ではなくなってきているのです。今、歯科医院はコンビニエンスストアよりも多いそうです。これからの開業医の生存競争はますます激しくなっていくのではないでしょうか。昔は、腕がいいことや、駅前の一等地に歯科医院を構えているというだけで、患者さんはどんどんやってきましたが、それだけでは到底、生き残れない時代になっているのです。

腕がいいだけでは駄目…

腕がいいだけでは駄目…
上記でもお伝えした通り、腕がいいだけでは生き残れません。最新の治療や設備を備えていても、倒産していく歯科医院は後を絶ちません。なぜそうなってしまうのかというと、まず、お金に対する甘い考えを持っていることと、経営者としての自覚が足りない、ということでしょう。歯科医院を経営するには、歯科医師としての腕だけではなく、経営者としての才覚も問われます。歯科医院としての能力が優れていても、患者さんから選んでもらえないような「歯医者さん」では、当然、経営は成り立ちません。また、開業資金が少ないことで、運転資金が不足してしまうというケースも多く見られるようです。銀行でローンを組み開業したとしても、予想していたように患者さんが来ないということから、資金が足りなくなりローンを返済できないというような事態に陥ってしまうのです。

年収アップを目指すなら

生涯年収を比較すると、勤務医も開業医もそれほど差はないように思えますが、あくまでもこの金額は「平均」したものです。もちろん、もっと多くの生涯年収を手にする歯科医師も存在します。しかし、今後、ますます開業医の生存競争は激しくなっていくと言えるでしょう。生涯の年収とリスクを考えてみると、どちらが良いとは一概には言えない時代になっています。では、どうすれば年収をアップさせることができるのかと言うと、歯列矯正やインプラントなどの専門技術を持っている人や、顧客を多く抱えているような歯科医院は、勤務医であったとしても高い給料を得ることができます。歯科医院によっては、顧客数や治療数によって給料や賞与が変化するところもあるようです。現在、勤務している歯科医院がそうではないとすれば、まずは転職を考えてみることもお薦めします。また、収入のアップには繋がりませんが、安定した雇用と収入を得たい場合は、公立病院の歯科医師として勤務することで公務員という扱いを受けることができます。ご自身の目指す歯科医師像を、しっかりと思い描き、開業か転職かということを考えてみてください。