歯科コラム
歯科医師と歯科衛生士が行なう仕事内容の違い
今回は歯医者と歯科衛生士の仕事内容の違いやなるにはどうしたら良いのか、そして平均年収の違いまでを説明していきます。
仕事内容の違い

子供の頃フッ素を歯に塗ったことはありませんでしたか?また、定期的に歯医者へ行くと歯を綺麗に掃除してくれますよね?あれは歯科衛生士の仕事で、予防処置と言います。
虫歯や歯周病にならないように予防処置を行うのが歯科衛生士の大きな仕事です。
また、歯医者は虫歯や歯周病と診断できますが衛生士はできません。
それに患者さんの個人情報(住まい・職業・症状・治療法など)を他者へ漏らすことを秘密漏洩と言いますが、この時の罪も変わってきます。歯医者は刑法・守秘義務違反になりますが衛生士は歯科衛生士法違反になるだけです。とは言っても患者さんの個人情報は医療施設内で必要なとき以外話しません。
歯医者になるには
歴史を紐解けば昔にまでさかのぼりますが、明治時代には医師と歯科医師という住み分けができていたと言われています。
医学部と歯学部では将来診療する科が異なりますが同じところもあります。それは6年制という点です。
通常の大学は1年生から4年生までですが医学部・歯学部・薬学部・獣医学部は6年制になります。各大学ごとのカリキュラムは異なりますが、おおよそ統一されているのは4年生までに一般教養・医学基礎・臨床科目の基礎勉強を終わらせて5年生~6年生にかけて病院実習を行います。その後は国家試験の勉強をする流れです。これが一般的な歯学部の流れです。
歯医者は口のことだけ診ていれば良いという時代は昔になりました。今や全身疾患と口腔環境の関わりが大きく取り上げられています。中でも歯周病と糖尿病や歯周病と肺炎の関係性は、いつ自分に起きるかもわからない状況です。
そのため全身の状態も知っておく必要があるので人体解剖も行います。他に内科や耳鼻咽喉科・皮膚科といった歯科領域と近い医科科目に関しても授業をうけます。
病院実習では実際の患者さんを配当してもらい指導医の下、治療を行います。簡単な虫歯の治療や入れ歯の調整などおこうことは多岐にわたります。さらに一般開業医では中々見ることができない口腔がんの患者さんのケアや手術にも立ち会うことが多いです。
歯科衛生士になるには

衛生士学校は歯学部を併設している大学でない限り、一般開業医のところへ行き実習をおこうことが多いです。そのため卒業後資格を取ればすぐに戦力になります。
歯科衛生士は女性が多いので女性ではないとなれないの?と疑問を持っている人がいますがそんなことはありません。男性の歯科衛生士さんもいるので安心して男性でも衛生士の門を叩いてください。
年収の違い
給与システムは他の職業とは違い固定給と歩合給または固定給+歩合給という形態があります。固定給はサラリーマンの方と同じで毎月いくらと決まった金額が入ってきます。歩合給は歯科医院によって異なりますが売り上げの20%前後が入ってきます。固定給と歩合給は基本的に歯医者自身で選ぶことが可能で、組み合わせ次第では勤務医でも1000万円以上の収入を得ている人はゴロゴロいます。
歯科衛生士は他の職業に比べると高いといえるでしょう。勤務時間は一般開業医で10時~19時くらいまでのところが多く、そのうち昼休憩が1時間ほどあります。それでいて給料は20万円前半ほどもらえるので同年代の中ではもらっている方ではないでしょうか。
歯医者がワーキングプアだと言われる原因は2点あります。
■研修医の給料が安すぎる
国家試験に合格した歯医者1年目は研修医として働かなくてはいけません。研修医は国から支給される給料がありますが研修施設などに中抜きをされて結果として私立歯科大学研修医で12万円前後しか手元に残らないのです。
■開業せざるをえない
地方の歯医者では1つの歯科医院に1人の歯医者というところが多いのではないでしょうか。実際に勤務医を見ても40歳に成っても勤務医をしている人は少なく皆いつかは開業せざるをえません。
開業には借金をする必要があり、そのためワーキングプアだと報じられているのでしょう。
国家試験の違い

歯医者や衛生士を管轄しているのは厚生労働省です。年に1度行われる歯科医師国家試験と歯科衛生士国家試験の合格率はここ10年で大きく変わりました。
歯科医師国家試験は歯科医師数を減らそうという意向があり年々難易度を上げ、合格率を下げています。衛生士国家試験は衛生士になっても女性ということで離職や家庭に入る人が多いので現場は人手不足に悩まされていて合格率は横ばいまたは多少上昇しています。
仕事内容でも違いはありますが、国家試験の難易度にも大きな違いが出てきています。