歯科コラム

歯科衛生士としての仕事の幅の拡大!人気の資格とは

歯科衛生士としての仕事の幅の拡大!人気の資格とは

近年、医療は高度化・専門化していく傾向にあります。歯科医療においてもその流れは同様で、歯科医療のさまざまな学会で専門的な知識やスキルを持った歯科医師に対する専門医制度や認定医制度が発足しています。

このような傾向は、歯科衛生士の仕事にも波及しており、歯科の学会により専門知識やスキルを有すると認める認定歯科衛生士制度が作られるようになりました。歯科衛生士が取得できる認定資格についてまとめてみました。

我が国における歯科衛生士の認定資格について

現在、我が国では、さまざまな歯科医学関係の学会で一定の知識やスキルを有していると認められた歯科衛生士に対して認定資格を付与しています。

要件は、学会ごとに異なりますが、日本の歯科衛生士の免許を持っていることは最低条件としてどこの学会でも共通です。そのほか、臨床経験年数や、学会の参加や学会発表の有無、学会に加入してからの年数などの規定があります。こちらに関しては、それぞれの学会によって異なります。

学会の認定資格がなければ仕事が行なえないというわけではありません。しかし、認定資格を持っていると、その分野における専門知識やスキルを持っていると理解されます。そのために転職を考えている場合など、選考時に有利に働くメリットがあります。デメリットとしては、学会に加入していなければ認定資格が取り消されてしまうため、学会の年会費や数年おきの認定資格の更新時に費用がかかることが挙げられます。

日本歯周病学会認定歯科衛生士

日本歯周病学会認定歯科衛生士
こちらの資格は、高度な専門知識が必要とされる歯周病治療を補助するために、専門的な知識と技術、経験を積んでいると日本歯周病学会が認定した歯科衛生士です。

■要件
5年以上の臨床経験、そして30単位以上の実務経験や教育研修の受講が必要です。

単位については、1年間の実務経験を積んだ医療施設や、歯科医師が歯周病学会専門医かどうかなどによって変わってきます。歯科大学附属病院や専門医のいる病院・歯科医院であれば10単位、それ以外は3単位となります。

日本歯周病学会学術大会などへの参加については、演者や発表者の場合は10単位、参加のみの場合は8単位です。また、少なくとも2回以上は日本歯周病学会の学術大会への参加が求められています。さらに認定歯科衛生士試験に合格しなければなりません。提出しなければならない症例報告書は5症例です。

■特徴
日本歯周病学会歯科衛生士教育講演が行なわれています。歯科衛生士に対しても理論に裏打ちされた技術と経験を重視しており、EBMに基づいた歯周病治療を目指しています。

認定歯科衛生士試験では、症例を10分間でプレゼンテーションし、それに基づいて5分程度の口頭試問が行なわれます。

インプラント専門歯科衛生士

こちらの資格は、インプラント治療に関する専門的な知識や技術を有していると日本口腔インプラント学会で認められた歯科衛生士です。

■要件
臨床経験としては、3年以上のインプラント治療に携わった経験が求められています。また、日本口腔インプラント学会に少なくとも1回以上参加していなければなりません。上部構造を装着して2年以上経過したインプラント治療の介助やメインテナンスの経験が3症例以上必要です。そして、インプラント専門歯科衛生士試験に合格しなければなりません。インプラント専門歯科衛生士教育講座を少なくとも1回は受講しておく必要があります。

■特徴
専門歯科衛生士の教育講座を設けている点です。経験だけに頼るのでなく、なぜそうなるのかという理論的な裏付けまで教育しています。EBMに基づいた専門歯科衛生士制度と言えます。

日本歯科審美学会認定士

歯科の審美学に関する専門的な知識や技術、経験を持っていると日本歯科審美学会により認定された歯科衛生士です。

■要件
認定士の申請時点で、日本歯科審美学会に3年以上の会員歴があることが必要です。また、日本歯科審美学会の学術大会に出席したり、審美歯科に関する発表の経験も求められています。歯科衛生士は、審美歯科に関する啓発活動をしていることも要件に含まれています。

■特徴
歯科衛生士だけでなく、歯科技工士も認定士になることが認められています。

日本歯科審美学会ホワイトニングコーディネーター

日本歯科審美学会ホワイトニングコーディネーター
ホワイトニングに関する専門的な知識や技術、対応および経験を持っていると日本歯科審美学会により認定された歯科衛生士です。

■要件
日本歯科審美学会の会員であり、かつコーディネーター認定講習会を受講し、コーディネーター認定試験に合格していることとなっています。

■特徴
同じ日本歯科審美学会の認定士とは異なり、ホワイトニングコーディネーターは、歯科技工士はなることはできません。認定士に認定されていれば、認定試験を免除してもらえます。

日本成人矯正歯科学会認定矯正歯科衛生士

この資格は、矯正歯科の臨床における専門的知識や技術、経験を有していると日本成人矯正歯科学会で認められた歯科衛生士です。

■要件
日本成人矯正歯科学会の会員であることが必要ですが、会員としての年数までは問われていません。そのかわりに、日本成人矯正歯科学会が認める矯正歯科専門の歯科医院や大学病院の矯正歯科での経験年数の条件が設けられています。原則的に常勤として3年以上となっています。ただし、矯正歯科の専門でなくても、それに同等の歯科医院で矯正歯科臨床に携わっていれば条件を満たすとされます。そして、日本成人矯正歯科学会の学会などに参加した経験も必要です。

申請要件を満たした場合、認定矯正歯科衛生士認定委員会で認められれば、日本成人矯正歯科学会認定矯正歯科衛生士として認められます。

■特徴
矯正歯科衛生士は、1級と2級があります。1級資格を申請するためには、2級資格を取得しておく必要があります。1級資格は、日本成人矯正歯科学会での学術発表や矯正歯科の認定医や専門医、指導医のもとでの3年以上の臨床経験と推薦書が条件にくわえられています。

日本口腔感染症学会院内感染対策予防認定歯科衛生士

この資格は、院内感染予防対策の専門的な知識と技術に秀でていると日本口腔感染症学会により認定された歯科衛生士のことです。

■要件
歯科衛生士として5年以上の経験年数があり、申請の時点で日本口腔感染症学会会員であることが必要です。

また、申請から過去5年の間に、日本口腔感染症学会の総会や研修会に3回以上出席し、本学会以外の感染症や化学療法に関する学会や研究会、研修会にも参加していなければなりません。

感染対策に関連する学会や研修会、医療専門家の養成機関などでの発表や講演の経験も要件に含まれています。そして、スタンダードプリコーションを理解し、その上で診療を行っていることや、歯科医院に院内感染予防対策マニュアルが整備されていることも求められています。

■特徴
診療に用いた器材を取り扱う機会の多い歯科衛生士に、スタンダードプリコーションに基づいた感染対策を実施してもらうことが目的とされています。
そのために、より実践的な要件となっています。

日本口腔衛生学会認定歯科衛生士

日本口腔衛生学会認定歯科衛生士
地域住民のお口の健康づくり、さまざまな病気を抱えた方の歯科疾患の予防などの専門的知識や技術を有していると日本口腔衛生学会により認定された歯科衛生士です。

■要件
日本口腔衛生学会の3年以上の会員歴があり、歯科保健活動や教育活動経験、学会、研修会などへの参加により合計35単位以上の単位数を有していることが求められています。この条件を満たせば、認定試験を受けることができます。

認定試験では、事前に提出した資料によるケースプレゼンテーションが行われます。このテーマに対して、口頭試問が行われ、評価されます。

■特徴
認定歯科衛生士には、地域歯科保健と口腔保健管理の2区分があります。地域歯科保健とは、地域社会の住民のお口の健康づくりに取り組んでいる歯科衛生士、そして口腔保健管理とは、全身疾患を持っている患者のお口の健康を守る歯科衛生士が対象となっています。

ケアマネージャー

この資格は、ただしくは介護支援専門員といいます。介護保険法に基づいた国家資格であるところが学会認定矯正歯科衛生士と異なります。

ケアマネージャーは、要支援・要介護認定者やその家族からの相談を受けて、ケアプランとよばれる介護サービス計画を作成します。ケアプランに基づいて、介護サービス事業者との連絡調整を行なうのがその業務です。

■要件
5年以上の実務経験が必要です。その上で毎年10月に開催される試験に合格しなければなりません。

■特徴
ケアマネージャーは、歯科衛生士以外の医療職、たとえば医師や歯科医師、薬剤師、看護師などもなることができます。いずれの医療職であっても、必要とされる実務経験年数は5年という点は共通です。

まとめ

歯科衛生士にもいろいろな学会からの認定制度があります。また、ケアマネージャーとよばれる国家資格も取得することが出来ます。

学会からの認定がなければ仕事が出来ないということはありませんが、認定資格をもっていれば、転職の際の選考時に、持っていない歯科衛生士と比べて有利になります。
ケアマネージャーに関しては、この資格を持っていないと業務を行なうことは出来ません。

当院では、歯科衛生士が多数勤務しています。新卒からブランクがある方まで、しっかりフォロー出来る体制が整っています。そして、歯科衛生士としてのスキルアップだけでなく、働きながら学会認定歯科衛生士の資格取得も目指しやすい環境になっています。日本歯周病学会や日本歯科審美学会などに参加することも可能です。